
■プロジェクトの説明
「遺伝子バンク」は、日本人の糖尿病、高血圧、高脂血症、動脈硬化などいわゆる生活習慣病、あるいはガンやアレルギー疾患などで困っておられるひとりの患者さんのみならず、同じ病気で苦しんでおられる多くの患者さんを一度に助けることができる有益な事業なのです。
2003年4月14日に、人間の全遺伝子情報であるヒトゲノムの解読を完了したことを、日本の小泉純一郎総理をはじめ、各国の首脳達が世界に向かって発表しました。これは、人類が自分達の体の設計図をすべて自ら手にすることが出来たことを意味します。それは、人の全設計図がわかれば、生活習慣病、ガン、アレルギー等、病気を引き起こす病因遺伝子の場所を明らかにすることが可能になるからです。 |
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| しかしながら、ヒトゲノム上で病気の場所を明らかにするためには、たとえば高血圧の場合、1人の患者さんから血液約10ml、この血液量は病院でコレステロールや肝臓の検査の時に採血される量とほぼ同量に当たりますが、この10mlの血液を最低1,000人の患者さんから提供を受ける必要があります。ただし、高血圧患者さん1,000人の血液中の遺伝子を解析するだけでは充分ではありません。同じ数、すなわち1,000人の高血圧をもたない人達の遺伝子を解析し、高血圧症患者さんの遺伝子の型と比較して、はじめて、高血圧を起こす遺伝子の場所がわかるのです。つまり、病人と健常者との比較検討を行わない限り最終的に病因遺伝子の場所を決定することは不可能なのです。 |
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この遺伝子決定に際して、ひとつの問題があります。それは、多民族で構成されている国では、人種の均一性が一定でなく、そのために多くの人数を集めたからといって、単純に比較することが出来ないということであります。それは、民族ごとに遺伝子の型が微妙に異なるからです。アメリカなどは典型的な多民族国家であるために、純粋な遺伝子配列決定がかえって困難だと言われています。しかしながら、日本は約2000年の歴史の中で、人の移動が欧米、中国などと比較して例外的に少なかった国であることから、先進国の中では人種の均一性が高い国であり、病気遺伝子の検索には非常に有利とされています。
その有利な条件下にあっても、日本における健常者の血液提供は難しいとされています。
ロータリアンが自ら先頭に立って、医学、生命科学の進歩に参加することの意義の理解と啓発を行い、各自がボランティアとして10mlの血液提供を行い、人類の健康と福祉の発展に寄与したいと考えております。重ねて、この事業が意義のあるのは、行政側から必要に迫られて発足した事業でなく、私達ロータリアンがその必要性を提案し、“I
serve”の理念に乗っ取り、かつ発信する草の根的事業である事であります。
この事業は、東京大学医科学研究所、ヒトゲノム解析センター長 中村祐輔教授と御堂筋R.C.との共同プロジェクトとして、東京大学医科学研究所の倫理委員会より正式に実施許可を頂き、文部科学省の遺伝子研究に関する指針に従って事業を進めております。
■プロジェクトの推薦理由
大阪御堂筋ロータリークラブのロータリアン全員が自ら先頭に立って、生活習慣病等の画期的治療を実現する医学、生命科学の研究に貢献することで始めた活動が、自らのクラブ内だけでなく他クラブ、他地区、たのお国へと広げたことは、ロータリーの奉仕の輪を広げる意義深いものがあります。
また、“I serve”の精神で10mlの血液とその時間を提供するだけで、金銭的な費用は一切かからないこの事業はユニークな形の活動であると提言できます。そして、これらの科学的成果が子供や孫の次世代へその恩恵をもたらすことは本年度RIテーマ“Serves
above self”を実践するプロジェクトであると思われます。
クラブで企画立案して約4年経過したこの事業は1,000名の採血を達成しました。この数値は1クラブとしては大きな値であり、今後のオーダーメイド医療実現に大きな貢献をするものと思われます。これらの活動は21世紀の医療において重要なものであり、多くのクラブに広める意味でも本賞にエントリーする価値があるものと思われます。 |
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